【読書】広告が変われば「制作」も全て変わる
2008-10-14 10:21 PM カテゴリ:書評
インターネットの今後について、示唆に富む話題を常に提供してくれる時事通信社の湯川鶴章さんの新刊。
内容を大まかに言うと、
現在のクリエイティブ中心の広告に代わり、テクノロジー中心の広告が今後台頭する。その新しい広告の形は機械的な冷たいものではなく、マーケティングやターゲッティングのきめ細かさを回復する方向へ向かう。(サザエさんに登場する「三河屋さん」の比喩。) その行き着く先は、広く告げるという意味での広告の終焉である。
著者によると、反応は相変わらず二分されているという。広告業界からは、否定的見解あるいは無視。インターネット業界からは、逆に今さら陳腐だという意見。
無理もない。なぜなら、前者にとっては信じたくない方向性だ。一方後者は、自分たちの常識が一般社会とかけ離れていることに対する想像力のなさによるからだ。
これまで著者に手による何冊もの本を読んできた。中には著者の考えや思いが前に出るあまり、論であるより宣言に近い文章もあったと記憶する。それはそれで読み物としての面白さはあるが、本作で特徴的なのは、取材・インタビューを通じ、多くの人の口を借りて論を展開していることだ。当然アメリカの潮流が即、日本に適用されるわけではない。しかし、広告やそれに代表される(クリエイティブ)制作全般のあり方を議論する上で、有益な土台を提供している。制作やデザインそのものの概念さえ覆されかねない将来に、我々は何を準備すればよいのか考えさせられた。
直接広告に関わらない人でも、インターネットの世界に興味があれば是非読んでもらいたい。
※情報開示:著者には個人的にもお世話になっています。








