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山小屋初体験で感じた「山岳写真」の世界

2009-03-29 10:24 PM カテゴリ:drops-of-light, travel

 冬は、「光のしずく」の撮影に絶好の季節です。もちろん、限られた日数の中で雪が降る可能性は未知数。ですが、私は雨男のようなので、だいたい天気に恵まれます。つまり雨か雪が降ります。

 好条件の雪を求めると、必然的に「山」という結論になります。ようやく今シーズン、生まれて初めて雪山登山を経験し、山小屋というものに泊まってきました。夏山登山さえ経験したことが無く、ましてや初めての山道を単独行だったので、不安はありましたが。泊まったのは、北八ヶ岳にある北横岳ヒュッテ。オーナーはその世界では有名なカメラマンです。

 こんなシーズンに山小屋に泊まるのは、よほど変わった人種=カメラマンばかり。私が泊まった日曜日(2009年3月1日〜2日)もカメラマンばかり4人という客の構成でした。山小屋にいるのは山賊のような強者かと思っていましたが、普通の人間で安心しました。こういった客の構成で楽なのは、写真を撮るために早朝から起きることが当然であること。普通の宿なら迷惑がられますが、ここで4時起きは普通。

私が使用しているスノーシューは、モンベルのスノーポン。クランポンが脱着できるため、アイゼンとして単独使用できる点、携帯時にかさばらない点が長所。ハードなスノーシューイングをしないなら、これで十分。

 「山岳写真」という特殊なジャンルが写真にはあります。多くのプロ・アマチュア写真家を惹きつけていますが、語られる写真史の中では傍流といっても良いでしょう。写真批評的にあえて言えば、美しい山を美しくコピーして何が面白いの?ということです。私も撮影の必然性から山へ来ただけで、「山岳写真」を撮りに来たわけではありません。

 午前5時。外は吹雪。普通に日の出を狙っていたカメラマンは、「悪天候」ということで暖炉の周りに。一方、私にとっては絶好の撮影日和。スノーシューで撮影ポイントへ向かい、凍える指でひたすらシャッターを切り続けていました。氷点下15度。氷点下での動作を保証していないEOS5D-MK2は問題なく動作しました(20Dは凍死)。

 朝陽も昇ったであろう午前6時過ぎ、東の空の雲が一瞬だけ切れました。下山の準備をしていた私は思わず、カメラを取り出しました。その時の一枚が下の写真。手前は吹雪のまま、東の空に一瞬の光。その間1分もなかったと記憶します。山小屋に戻ると、暖炉で暖まっていた人たちは、「あっ」と外に出たときには、既に太陽は隠れていたとのこと。

 山岳写真の醍醐味は人それぞれでしょうが、天候のドラマチックな変化は、その魅力の最たるものでしょう。今回初めてそれを体験したことで、山岳写真にはまる人たちの気持ちが少し分かった気がしました。もっとも、天候の変化といった要素が、その人のテーマや表現にとって何を意味するのか、それは写真家一人一人に課せられた使命(課題)なのでしょう。

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