写真集「tex+ure」シリーズのご案内

textureロゴphoto: 飯山満 text: 戸田昌子 printing direction:彦惣久善 発行所:飯山満商店

はじめに -introduction

 「tex+ure」と名付けられたこのプロジェクトは、ご覧のように「写真集のようなもの」を出版していく試みです。text + picture=textureです。  このプロジェクトでは、印刷物としての写真、つまり「インクによる写真」の可能性を追求するとともに、写真と言葉の組み合わせの可能性を試みています。  これが
なぜ「写真集のようなもの」かといえば、多数のページから構成される「本」ではなく、ペラものの印刷物の集合だからです。全6回シリーズ刊行予定しています。

制作の目的 -why

 写真を写真たらしめるものは何だろう。銀塩の印画紙にプリントされた写真だけが、唯一絶対の基準ではありません。私はこれまで、銀塩写真からインクジェットプリント、ウェブと、各種メディアにおける最良の表現方法を追求してきました。それぞれのメディアに即した写真のあり方があり、もちろん印刷には印刷にしかできない写真表現があります。  印刷、つまりインクと紙との組み合わせによって表現できることの幅とは、オリジナルプリントと呼ばれる印画紙の表現とは異なるものであって、印刷物としてのクオリティを追求すればするほど、印画紙とは異なる表現がそこには立ち現れます。このパラドクスを逆手に取って、オリジナルプリントを丁寧に作成するように、印刷物を作ってみよう。そうした思いつきが、このプロジェクトの始まりでした。

制作者 -who

 この企画は、最高の共同制作者とともに実現されています。
  写真:飯山満
、文章:戸田昌子(武蔵野美術大学・東京綜合写真専門学校非常勤講師、写真史研究者)
、印刷:彦惣久善(印刷物をトータルにマネージメントするプリンティングディレクター)の共同作業によってこの「作品」は作られています。

制作の過程 -how

 第1作目はモノクロームのフォトグラム。フォトグラムの黒とは光が印画紙に直接反応した痕跡であり、フォトグラムの白はそこに置かれた物質の影であるという光と影のパラドクスを、インクでどのように表現したらよいか。また、フォトグラムの黒の「焼け焦げた」印象を表現するにはどうしたらよいか。  インクだけでフォトグラムの黒を表現するために、紙とインクの選択を何十通りもテストしました。「光の黒」を表現するという発想から光の三原色の補色だけで印刷してみたり、スミ(黒いインク)を使わずに特色(特別に調製されたカラーのインク)を3色使って黒を作ってみたり。  そうしたプロセスのなかで思いがけず発見された色のマチエールから、このように赤みを帯びた印刷物が最終的に仕上がってきました。この「赤」には、印画紙を焦がすがごとく露光されるフォトグラムのイメージや、被写体である肉体の体温、さらには暗室作業のセーフライトの光といったイメージが投影されています。そしてその赤みはかつて広く使われ、そして消えて行ったPOP印画紙(printing out paper、焼き出し印画紙)の赤みとも似たクオリティをもっている、きわめて写真的な色でもあります。  こうしたモノクロームの「色」のバリエーションは、写真の歴史のなかにカラー写真が出現して以来、長らく見失われてきたものではないでしょうか。このプロジェクトでは、そうした写真を写真たらしめている目の記憶に細心の注意を払いながら、インクによる写真の可能性を追求していこうと考えています。

購入できる場所 -where

1部1000円。送料別。  こちらの問い合わせフォームから、texture購入希望と明記し、送信してください。折り返し、連絡いたします。  購入方法は、郵便による代金引換が可能です。  また、今後いくつかのギャラリーや書店でも購入できるよう現在交渉中です。 2008年10月 飯山満